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新司法試験の出願用紙を受け取りました。
もう出願かよ……と思うと非常にはげしく鬱になります。いまのところ,明らかに合格圏外だと思われるので……orz
今現在の悩みは次年度の仕事をどう組むかです。
複数の仕事先からそれぞれ依頼が来ています……。それぞれからの依頼がかち合わないように調整するのもけっこう面倒です。しかし,それ以上に問題なのは,どの程度の仕事を引受けるかです。来ている仕事を全部引受けていたら,ちっとも勉強できません。
そうはいっても,ローを卒業して奨学金の支給が切れることを考えると,仕事量を増やし気味にしておいたほうが無難な気もするわけで……。
うーーー。まぁ,ここに書いても解決しないことは確かですが。
日経新聞(紙版)の11月26日に,↓のエントリで取り上げたキヤノンインクタンク事件についての記事が出ていました(スイッチオン・マンデー)。
メーカーサイドのみならず,リサイクル業者側も判決を有利に解釈しているとの内容です。
しかし,現在はさぼりにさぼってきたつけが回ってきている民訴で頭が一杯だったりしますw。
もう出願かよ……と思うと非常にはげしく鬱になります。いまのところ,明らかに合格圏外だと思われるので……orz
今現在の悩みは次年度の仕事をどう組むかです。
複数の仕事先からそれぞれ依頼が来ています……。それぞれからの依頼がかち合わないように調整するのもけっこう面倒です。しかし,それ以上に問題なのは,どの程度の仕事を引受けるかです。来ている仕事を全部引受けていたら,ちっとも勉強できません。
そうはいっても,ローを卒業して奨学金の支給が切れることを考えると,仕事量を増やし気味にしておいたほうが無難な気もするわけで……。
うーーー。まぁ,ここに書いても解決しないことは確かですが。
日経新聞(紙版)の11月26日に,↓のエントリで取り上げたキヤノンインクタンク事件についての記事が出ていました(スイッチオン・マンデー)。
メーカーサイドのみならず,リサイクル業者側も判決を有利に解釈しているとの内容です。
しかし,現在はさぼりにさぼってきたつけが回ってきている民訴で頭が一杯だったりしますw。
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by VNTR
| 2007-11-28 03:28
| 私的記録(日記)
↓のエントリの続きです。
疲れてきましたw 連投しているわりに中身がないエントリですし……。まぁ,書いている本人の備忘ということで。そのうち評釈はいっぱいでるでしょうし。
さて,判決そのものはいいとして,ここで気になるのは
知財高裁大合議部の判決がとった法的構成を,あっさり最判は覆したのではないか?
という疑問です。
知財高裁大合議部は,高裁でありながらわざわざ5人の裁判官の合議体で審理しているわけですが,このような大合議部(第6特別部)が新設されたのは
「知的財産訴訟の帰すうが企業活動に与える影響が極めて大きくなったことから,最高裁判所の判断まで待たずして一定の信頼性のある統一的なルールを形成してほしいという産業界の強い要請」(ジュリストNo1316 p.9 知財高裁所長(当時)篠原勝美)
に応えたものであって,要するに「司法判断の統一機能を果たす」ためだったはずです。
で,これに対しては当初から
高裁レベルでの統一機能にすぎず,最高裁で覆る可能性があるのに意味があるのか?
という批判があったのだと思います。
今回は知財高裁大合議部判決(過去に3件の判決がなされた もう1件係属したが和解になって判決に至らず)が,はじめて最高裁の判断を受けた事案であるわけですが,最初の事案から
いきなり批判が現実化した
という感じです(結論自体は大合議判決と同じですが)。
今後も大合議判決が最判で異なる判断を受ける自体が続出するようだと,大合議そのものの意義が問われる事態になるのではないかと懸念します。
(疲れたのでおわり 間違ってる箇所をみつけたらこっそり教えてください こっそり直します)
追記)
個人的には知財高裁判決の「消尽アプローチ」というか,第1類型,第2類型っていいう考え方はエレガントな構成だという気がして結構好きですので,最高裁が一括して総合考量みたいな感じにしたのは微妙……(最判らしい判断という気はしますが)。
残念ながら「生産アプローチ」と「消尽アプローチ」の対立論に踏み込めるほど知識がありません(消尽アプローチが,消尽理論の目的論的な解釈から直裁に消尽の適用範囲を画する手法を採用したとか……(ジュリストNo1316 p.38 横山久芳))。
ただ,今回の最判は,「生産アプローチ」だとしても,「特許法2条3項1号の実施態様に即したカテゴリカルな利益考量」(同上p.39)ではあるかもしれませんが,内容的には「消尽アプローチ」と同様の,具体的,実質的な利益考量をしたという印象を受けています。
実質的には,結論に差異がなければ,「生産アプローチ」のほうが直感的にわかりやすいという判断もあったのかもしれません?
遊んでないで行政法やらねば!!
疲れてきましたw 連投しているわりに中身がないエントリですし……。まぁ,書いている本人の備忘ということで。そのうち評釈はいっぱいでるでしょうし。
さて,判決そのものはいいとして,ここで気になるのは
知財高裁大合議部の判決がとった法的構成を,あっさり最判は覆したのではないか?
という疑問です。
知財高裁大合議部は,高裁でありながらわざわざ5人の裁判官の合議体で審理しているわけですが,このような大合議部(第6特別部)が新設されたのは
「知的財産訴訟の帰すうが企業活動に与える影響が極めて大きくなったことから,最高裁判所の判断まで待たずして一定の信頼性のある統一的なルールを形成してほしいという産業界の強い要請」(ジュリストNo1316 p.9 知財高裁所長(当時)篠原勝美)
に応えたものであって,要するに「司法判断の統一機能を果たす」ためだったはずです。
で,これに対しては当初から
高裁レベルでの統一機能にすぎず,最高裁で覆る可能性があるのに意味があるのか?
という批判があったのだと思います。
今回は知財高裁大合議部判決(過去に3件の判決がなされた もう1件係属したが和解になって判決に至らず)が,はじめて最高裁の判断を受けた事案であるわけですが,最初の事案から
いきなり批判が現実化した
という感じです(結論自体は大合議判決と同じですが)。
今後も大合議判決が最判で異なる判断を受ける自体が続出するようだと,大合議そのものの意義が問われる事態になるのではないかと懸念します。
(疲れたのでおわり 間違ってる箇所をみつけたらこっそり教えてください こっそり直します)
追記)
個人的には知財高裁判決の「消尽アプローチ」というか,第1類型,第2類型っていいう考え方はエレガントな構成だという気がして結構好きですので,最高裁が一括して総合考量みたいな感じにしたのは微妙……(最判らしい判断という気はしますが)。
残念ながら「生産アプローチ」と「消尽アプローチ」の対立論に踏み込めるほど知識がありません(消尽アプローチが,消尽理論の目的論的な解釈から直裁に消尽の適用範囲を画する手法を採用したとか……(ジュリストNo1316 p.38 横山久芳))。
ただ,今回の最判は,「生産アプローチ」だとしても,「特許法2条3項1号の実施態様に即したカテゴリカルな利益考量」(同上p.39)ではあるかもしれませんが,内容的には「消尽アプローチ」と同様の,具体的,実質的な利益考量をしたという印象を受けています。
実質的には,結論に差異がなければ,「生産アプローチ」のほうが直感的にわかりやすいという判断もあったのかもしれません?
遊んでないで行政法やらねば!!
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by VNTR
| 2007-11-08 22:07
| 法科大学院関連
↓のエントリの続きです。
考慮要素は似ているのですが,一審と結論が逆になったのは「加工の態様」の評価の相違が原因だと考えられます。
決定的なのは,一審が
「毛管力が高い界面部分の構造は,インクを使い切った後もそのまま残存している」
として,特許発明(輸送中のインク漏れ防止)の本質的な部分が変更されていないと判断しているのに対し,
最判は,
「インクがある程度費消されると,圧接部の界面の一部又は全部がインクを保持しなくなるものであり」
として,特許発明の本質的部分に係る構成を欠く状態に至ると認定したうえで,インクタンク本体の内部を洗浄してからインクを再充填することによって,
「本件発明の実質的な価値を再び再現し,開封前のインク漏れ防止という本件発明の作用効果を新たに発揮させるものと評せざるをえない」
と認定していることでしょう。
もっとも,この最判の認定自体は,控訴審の知財高裁大合議判決の認定と同様ですから,最判が控訴審の認定を踏まえて,このように判断したことは当然だと思います。
控訴審はこの認定をもって,特許発明の本質的部分を構成する部材の一部についての加工又は交換に該当するから,特許権が消尽しないと認定したのであり(控訴審がいうところの消尽しない類型のうち第2類型)
一方,本件最判はこの認定をもって,「加工前の被上告人製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造された」と認めています。
最判が一審が用いた「新たな生産」という表現を避けて,「新たに製造」という表現をとっているのは,控訴審判決が一審の「生産アプローチ」に対して
『生産』の語を特許法2条3項1号にいう『生産』と異なる意味で用いるものであって,生産の概念を混乱させるおそれがある
という指摘をしていたことに対応するものだと思われます。「生産アプローチ」ではなく,「製造アプローチ」だということでしょうか。
(まだ続きます)
考慮要素は似ているのですが,一審と結論が逆になったのは「加工の態様」の評価の相違が原因だと考えられます。
決定的なのは,一審が
「毛管力が高い界面部分の構造は,インクを使い切った後もそのまま残存している」
として,特許発明(輸送中のインク漏れ防止)の本質的な部分が変更されていないと判断しているのに対し,
最判は,
「インクがある程度費消されると,圧接部の界面の一部又は全部がインクを保持しなくなるものであり」
として,特許発明の本質的部分に係る構成を欠く状態に至ると認定したうえで,インクタンク本体の内部を洗浄してからインクを再充填することによって,
「本件発明の実質的な価値を再び再現し,開封前のインク漏れ防止という本件発明の作用効果を新たに発揮させるものと評せざるをえない」
と認定していることでしょう。
もっとも,この最判の認定自体は,控訴審の知財高裁大合議判決の認定と同様ですから,最判が控訴審の認定を踏まえて,このように判断したことは当然だと思います。
控訴審はこの認定をもって,特許発明の本質的部分を構成する部材の一部についての加工又は交換に該当するから,特許権が消尽しないと認定したのであり(控訴審がいうところの消尽しない類型のうち第2類型)
一方,本件最判はこの認定をもって,「加工前の被上告人製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造された」と認めています。
最判が一審が用いた「新たな生産」という表現を避けて,「新たに製造」という表現をとっているのは,控訴審判決が一審の「生産アプローチ」に対して
『生産』の語を特許法2条3項1号にいう『生産』と異なる意味で用いるものであって,生産の概念を混乱させるおそれがある
という指摘をしていたことに対応するものだと思われます。「生産アプローチ」ではなく,「製造アプローチ」だということでしょうか。
(まだ続きます)
▲
by VNTR
| 2007-11-08 21:47
| 法科大学院関連
キヤノン・インクタンク事件の最高裁判決がでました。
インクカートリッジ:リサイクル品は特許侵害 最高裁判決(毎日)
最高裁HP
でたばっかりですから,ざっとしか読んでませんが,
ーーーー
特許権者等が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされ,それにより当該特許製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認められるときは,特許権者は,その特許製品について,特許権を行使することが許されるというべきである。
そして,上記にいう特許製品の新たな製造に当たるかどうかについては,当該特許製品の属性,特許発明の内容,加工及び部材の交換の態様のほか,取引の実情等も総合考慮して判断するのが相当であり,当該特許製品の属性としては,製品の機能,構造及び材質,用途,耐用期間,使用態様が,加工及び部材の交換の態様としては,加工等がされた際の当該特許製品の状態,加工の内容及び程度,交換された部材の耐用期間,当該部材の特許製品中における技術的機能及び経済的価値が考慮の対象となるというべきである。
ーーーー
という感じなので,本件控訴審である知財高裁大合議部判決(平成18年1月31日)が採用した「消尽アプローチ」ではなく,いわゆる「生産アプローチ」を採用しているように読めると思います。ちなみに,一審の東京地裁判決(平成16年12月8日)が「生産アプローチ」でした(但し,一審では新たな生産への該当を否定して,特許権の行使を否定しています)。
ここでいちおう,一審と本件最判とで,新たな生産(製造)に該当するか否かを判断するにあたり,考慮している要素を比較してみます。
★一審の考慮要素
・特許製品の機能,構造,材質,用途などの客観的な性質
・特許発明の内容
・特許製品の通常の使用形態
・加えられた加工の程度
・取引の実情
等を総合考慮して判断
★最判の考慮要素
・特許製品の属性(=機能,構造及び材質,用途,耐用期間,使用態様)
・特許発明の内容
・加工及び部材の交換の態様(=加工等がされた際の当該特許製品の状態,加工の内容及び程度,交換された部材の耐用期間,当該部材の製品中における技術的機能及び経済的価値)
・取引の実情
等を総合考慮して判断するのが相当
という感じで,最判の方がかなり具体化していますが,似てるように思います。
とはいえ,一審は消尽の成立を肯定し,最判は消尽の成立を否定したわけですから,結論は逆になっているわけです。(続きはあとで)
インクカートリッジ:リサイクル品は特許侵害 最高裁判決(毎日)
最高裁HP
でたばっかりですから,ざっとしか読んでませんが,
ーーーー
特許権者等が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされ,それにより当該特許製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認められるときは,特許権者は,その特許製品について,特許権を行使することが許されるというべきである。
そして,上記にいう特許製品の新たな製造に当たるかどうかについては,当該特許製品の属性,特許発明の内容,加工及び部材の交換の態様のほか,取引の実情等も総合考慮して判断するのが相当であり,当該特許製品の属性としては,製品の機能,構造及び材質,用途,耐用期間,使用態様が,加工及び部材の交換の態様としては,加工等がされた際の当該特許製品の状態,加工の内容及び程度,交換された部材の耐用期間,当該部材の特許製品中における技術的機能及び経済的価値が考慮の対象となるというべきである。
ーーーー
という感じなので,本件控訴審である知財高裁大合議部判決(平成18年1月31日)が採用した「消尽アプローチ」ではなく,いわゆる「生産アプローチ」を採用しているように読めると思います。ちなみに,一審の東京地裁判決(平成16年12月8日)が「生産アプローチ」でした(但し,一審では新たな生産への該当を否定して,特許権の行使を否定しています)。
ここでいちおう,一審と本件最判とで,新たな生産(製造)に該当するか否かを判断するにあたり,考慮している要素を比較してみます。
★一審の考慮要素
・特許製品の機能,構造,材質,用途などの客観的な性質
・特許発明の内容
・特許製品の通常の使用形態
・加えられた加工の程度
・取引の実情
等を総合考慮して判断
★最判の考慮要素
・特許製品の属性(=機能,構造及び材質,用途,耐用期間,使用態様)
・特許発明の内容
・加工及び部材の交換の態様(=加工等がされた際の当該特許製品の状態,加工の内容及び程度,交換された部材の耐用期間,当該部材の製品中における技術的機能及び経済的価値)
・取引の実情
等を総合考慮して判断するのが相当
という感じで,最判の方がかなり具体化していますが,似てるように思います。
とはいえ,一審は消尽の成立を肯定し,最判は消尽の成立を否定したわけですから,結論は逆になっているわけです。(続きはあとで)
▲
by VNTR
| 2007-11-08 21:14
| 法科大学院関連
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