30台の弁護士の日記です。会社勤めをした後,法科大学院を経由して,なんとか弁護士になりました。チラシの裏(=ごく私的な備忘用)なので,有益な記事はありませんのであしからず。


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2005年 05月 17日 ( 2 )

松井三郎京都大学地球環境学大学院教授が、中西準子独立行政法人産業技術総合研究所化学物質リスク管理研究センター所長を名誉毀損で訴えたようです。

ネタ元は以下のHPの掲示58番です。

化学物質問題市民研究会

第7回内分泌攪乱化学物質問題に関する国際シンポジウムに両者が参加したところ、中西氏がHPにシンポジウム上での松井氏についてのコメントを記載し、それを名誉毀損として松井氏側が訴えたというもの。なお、すでに中西氏のHPからは当該記事は削除されているもようです。

ちなみに中西氏のHPは以下です。

中西準子のホームページ

興味深いのは、上記HPで紹介されている、松井氏側が訴訟に踏み切った理由です。抜粋して要約すると

1.碌に他者の発言も聞かず、事実も確認せず、一方的に他者の名誉を毀損するような決めつけを行うことは、「科学者」の名に値しない行為である。

2.中西氏は、「環境ホルモン問題は終わった」と考えておられるようであるが、これは大変な間違いである。松井氏は、研究者として、国民の一人として、中西氏のこのような誤りを断じて見過ごすことはできないものと考え、敢えて本件提訴に踏み切ったのである。



1の理由については、事実関係が私にはわからないので、コメントできません。しかし、2の理由は要するに、研究者としての意見の相違を理由とするものだといえ、それを訴訟に持ち込むというのはどうなのでしょうか。

学術研究者が、見解の相違をもつことはむしろ当然であって、その一方からの批判については、事実に基づいた反論をすればすむのであって、訴訟に持ち込むことはなじまないのではないかと思います。この点、松井氏側の対応に強い疑問を感じます。
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by VNTR | 2005-05-17 17:15

Θは遊んでくれたよ

こんにちは。

この数日、ずっとのどが痛いと思っていたのですが、どーも風邪を引いたようです。さいわいにして、バイトの集中する週の後半でなくてよかったですよ。講師バイトはぜったいに休めませんからね……。

このところ、小説は買ってもなかなか読む時間がありません。買った本が山積みされています……悲しい。まぁ、でもそのうちの1冊をなんとか読みました。

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『Θ(シータ)は遊んでくれたよ』 森博嗣 講談社ノベルズ

著者の森博嗣は、『すべてがFになる』などで知られるベストセラミステリ作家ですね。 名古屋大の建築の先生でもあります。それゆえ、大学の研究室を舞台とした小説には、ディテールにリアリティがあります。新シリーズ2冊目がこの作品。

あいかわらずオタクっぽい会話が……。理系の女性の発言とはいえ、ややムリがあるように感じますが、これは筆者は意図的なのでしょうね。

ネタばれにつながるので、あまり書きませんが、謎解きのポイントのひとつである郡司教授の娘の自殺には、ちょっと納得がいきません。動機があまりに薄弱ではないでしょうか。まぁ、森作品に共通する特徴として、動機から謎解き・犯人探しをしていく、という方針をとらないのはわかってますけどね。物理的・論理的に可能な方法は、これしかない、という方向の謎解きをする作品ばかりです。したがって、動機については、どの作品でも主要な論点にはなりません。しかし、それにしてもこの自殺にはムリがあると思います……。

とはいえ、それら細部の疑問を気にさせないだけの面白さがあります。さすが森博嗣という感じでしょうか。もっとも、森氏の作品をはじめて読む、というかたには、やはり『すべてが……』を薦めますが。
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by VNTR | 2005-05-17 16:23