黒革の手帳など
2004年 11月 11日
今日の1冊(まとめて)
松本清張 『黒革の手帳』(上下) 新潮文庫
ドラマ化されて原作がよく売れているという話をきいて、つい読んでしまいました。前半はちょっと強引すぎてリアリティに欠ける展開だなぁ……と思ったのですが、最後まで読んだ結果としては、さすがは松本清張……という感じです。ラストのスピード感ある容赦ない書きっぷりにはちょっと参りました。
ドラマについては、全然見てないので知りません。
小川洋子 『まぶた』 新潮文庫
このところ続けて読んでいる小川洋子。だんだん好きな作家としての順位が上昇してます。
野沢 尚 『反乱のボヤージュ』 集英社文庫
大学寮の廃止問題を舞台設定とした青春小説。あまり期待せずに読んだのですが、意外なほど面白かったです。
この大学寮ですが、おそらく東大駒場寮を想定して書かれているのだと思います。この小説では寮の食堂が非常に重要な舞台として描かれていますが、実際の駒寮の寮食は、小説とはぜんぜん違って美味しくありませんでしたし、メニューが異常に少なくてやる気のなさと予算の乏しさを痛烈に感じさせられる食堂でした(笑)。
もっとも、それだけに他の構内の学食が混んでいる昼時でも、寮食だけはいつもすいていたのでよく食べに行ったものです。たぶん、寮生でない学生としては、もっとも頻繁に寮食を利用していた学生だったのじゃないかと思います(苦笑)。
そういう個人的な記憶を刺激される小説でした……。 あ……、駒寮があったときを知っているということで歳がわかりますね……。私が駒場にいたときに寮食は廃止(駒寮そのものよりも先に食堂が廃止になった)になったので、寮食を知る最後の世代だと思います。
柴田よしき 『猫探偵 正太郎の冒険1』 光文社カッパ・ノベルズ
先日読んだ『ワーキングガール・ウォーズ』が面白かったので、柴田よしき本をまた読んでみました。
私があまり本格モノが好きじゃないからかもしれませんが、可もなく不可もなく……という印象です。猫好きなので、猫が主人公という点はよかったのですが。
樋口有介 『船宿たき川捕物暦』 筑摩書房
樋口有介はかなり好きな作家です。彼の初の時代小説。話はいつもどおり面白かったです。十分に堪能しました。
藤村いずみ 『あまんじゃく』 早川書房
デビュー作なんですかね? 元敏腕外科医が、弁護士に飼われる殺し屋になって活動する……というもの。 藤村いずみ本人が、ミステリチャンネル(CSの)に出演してあらすじを語っているのをみて、面白そうだったので即座にアマゾンに注文して買いました。
うーーーーーーーん、生殖医療とか医療過誤とか臓器移植とかにまつわる現代医療の倫理的な問題点を突く社会派系の小説なのですが、さすがに設定に無理がありすぎるような気がしますねぇ……。話は面白いんですけど、どう考えてもこの設定で表沙汰にならずに殺し屋稼業が継続できるとは思えない場面が多すぎます。
ま、扱っているテーマそのものは面白いので、続刊がでるなら読んでみたいとは思ったのですけど……。
松本清張 『黒革の手帳』(上下) 新潮文庫
ドラマ化されて原作がよく売れているという話をきいて、つい読んでしまいました。前半はちょっと強引すぎてリアリティに欠ける展開だなぁ……と思ったのですが、最後まで読んだ結果としては、さすがは松本清張……という感じです。ラストのスピード感ある容赦ない書きっぷりにはちょっと参りました。
ドラマについては、全然見てないので知りません。
小川洋子 『まぶた』 新潮文庫
このところ続けて読んでいる小川洋子。だんだん好きな作家としての順位が上昇してます。
野沢 尚 『反乱のボヤージュ』 集英社文庫
大学寮の廃止問題を舞台設定とした青春小説。あまり期待せずに読んだのですが、意外なほど面白かったです。
この大学寮ですが、おそらく東大駒場寮を想定して書かれているのだと思います。この小説では寮の食堂が非常に重要な舞台として描かれていますが、実際の駒寮の寮食は、小説とはぜんぜん違って美味しくありませんでしたし、メニューが異常に少なくてやる気のなさと予算の乏しさを痛烈に感じさせられる食堂でした(笑)。
もっとも、それだけに他の構内の学食が混んでいる昼時でも、寮食だけはいつもすいていたのでよく食べに行ったものです。たぶん、寮生でない学生としては、もっとも頻繁に寮食を利用していた学生だったのじゃないかと思います(苦笑)。
そういう個人的な記憶を刺激される小説でした……。 あ……、駒寮があったときを知っているということで歳がわかりますね……。私が駒場にいたときに寮食は廃止(駒寮そのものよりも先に食堂が廃止になった)になったので、寮食を知る最後の世代だと思います。
柴田よしき 『猫探偵 正太郎の冒険1』 光文社カッパ・ノベルズ
先日読んだ『ワーキングガール・ウォーズ』が面白かったので、柴田よしき本をまた読んでみました。
私があまり本格モノが好きじゃないからかもしれませんが、可もなく不可もなく……という印象です。猫好きなので、猫が主人公という点はよかったのですが。
樋口有介 『船宿たき川捕物暦』 筑摩書房
樋口有介はかなり好きな作家です。彼の初の時代小説。話はいつもどおり面白かったです。十分に堪能しました。
藤村いずみ 『あまんじゃく』 早川書房
デビュー作なんですかね? 元敏腕外科医が、弁護士に飼われる殺し屋になって活動する……というもの。 藤村いずみ本人が、ミステリチャンネル(CSの)に出演してあらすじを語っているのをみて、面白そうだったので即座にアマゾンに注文して買いました。
うーーーーーーーん、生殖医療とか医療過誤とか臓器移植とかにまつわる現代医療の倫理的な問題点を突く社会派系の小説なのですが、さすがに設定に無理がありすぎるような気がしますねぇ……。話は面白いんですけど、どう考えてもこの設定で表沙汰にならずに殺し屋稼業が継続できるとは思えない場面が多すぎます。
ま、扱っているテーマそのものは面白いので、続刊がでるなら読んでみたいとは思ったのですけど……。
by VNTR
| 2004-11-11 01:46