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30台の弁護士の日記です。会社勤めをした後,法科大学院を経由して,なんとか弁護士になりました。チラシの裏(=ごく私的な備忘用)なので,有益な記事はありませんのであしからず。


by VNTR
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Θは遊んでくれたよ

こんにちは。

この数日、ずっとのどが痛いと思っていたのですが、どーも風邪を引いたようです。さいわいにして、バイトの集中する週の後半でなくてよかったですよ。講師バイトはぜったいに休めませんからね……。

このところ、小説は買ってもなかなか読む時間がありません。買った本が山積みされています……悲しい。まぁ、でもそのうちの1冊をなんとか読みました。

Θは遊んでくれたよ_b0028244_16224748.jpg
『Θ(シータ)は遊んでくれたよ』 森博嗣 講談社ノベルズ

著者の森博嗣は、『すべてがFになる』などで知られるベストセラミステリ作家ですね。 名古屋大の建築の先生でもあります。それゆえ、大学の研究室を舞台とした小説には、ディテールにリアリティがあります。新シリーズ2冊目がこの作品。

あいかわらずオタクっぽい会話が……。理系の女性の発言とはいえ、ややムリがあるように感じますが、これは筆者は意図的なのでしょうね。

ネタばれにつながるので、あまり書きませんが、謎解きのポイントのひとつである郡司教授の娘の自殺には、ちょっと納得がいきません。動機があまりに薄弱ではないでしょうか。まぁ、森作品に共通する特徴として、動機から謎解き・犯人探しをしていく、という方針をとらないのはわかってますけどね。物理的・論理的に可能な方法は、これしかない、という方向の謎解きをする作品ばかりです。したがって、動機については、どの作品でも主要な論点にはなりません。しかし、それにしてもこの自殺にはムリがあると思います……。

とはいえ、それら細部の疑問を気にさせないだけの面白さがあります。さすが森博嗣という感じでしょうか。もっとも、森氏の作品をはじめて読む、というかたには、やはり『すべてが……』を薦めますが。
by VNTR | 2005-05-17 16:23